増毛ミクニ塾マナー教室 〜増毛の素材を使用したフランス料理研修会〜
と き 平成22年10月16日 午後0時〜午後2時30分
ところ 札幌市 ミクニサッポロ
総料理長 阿 部 式 英
料理長 小 川 主 水
ディレクトール 我 妻 博 之
参加者
増 毛 町 長 石崎 大輔
増毛町副町長 佐 藤 順 治
増毛ミクニ塾
運営委員長 林 眞 二
塾生等(民生・児童委員等13名) 58名
事務局 3名
計 64名
石崎増毛町長 あいさつこの事業につきましては、毎年行っているものでありまして、今年は、今までで一番多くの方にご参加をいただきました。
増毛町の民生委員児童委員の研修も兼ねて、出席していただいております。
マナーに従ってリラックスして料理を楽しんでいただければ幸いです。
増毛の海の幸や野菜、果物がミクニサッポロでどのように変わるかということを楽しんでいただければと思っています。
ミクニサッポロ 阿部式英 総料理長いつも三國塾生の皆様には、増毛のイベントでお手伝いをいただいてありがとうございます。
ミクニサッポロのスタッフは私が増毛に行って何をやっているか、わからない人間が多いと思います。えびまつり、秋味まつりも皆さんのお力が無いと三國の特別メニューは出せません。
テーブルマナーも4回目で、皆様の中には全部参加されている方もいると思います。
第1回から第3回までは、マナー教室をやってきましたが、マナーもこれ以上覚える事はないという塾生の方がいらっしゃると思いますので、我妻支配人が各部署から予約係、ソムリエなどエピソードも踏まえてレストランはこのように構成されていると言うことを紹介したいと思います。
毎年、10月の同じ時期で小川シェフも同じ味にならないように苦労をしています。
今日のメニューもこんなの初めてという内容になっております。貸し切りですので皆様と楽しみながら進めていきたいと思いますので、分からないことがあれば何でも聞いていただきたいと思います。
楽しく食事をしましょう。
ミクニサッポロ 小川主水 料理長による本日の料理説明みなさまこんにちは。
今回4回目で毎年時期が一緒なので食材が重なり、悩みながらメニューを作っています。
最初のアミューズ、今日はスープを用意させていただきました。カボチャのスープはありふれているという方もいらっしゃると思いますが、作り方によっては違う味になります。
前菜は、増毛の海の幸、アワビ、甘エビ、つぶ貝、タコ、ホタテ貝をサラダ仕立てで仕上げています。皆さんは、いつもお刺身でいただいていると思いますが、フランス料理は火を入れるのが基本です。アワビの肝とイカ墨でソースを作りました。
魚料理ですが、今日はすごい良いブリが入りましたので、ブリを網焼きにして食べ合わせの大根はコンソメで煮て焼き目をつけて、バルサミコ風味のゴボウを添えています。
メインディッシュの肉料理ですが、池田牛の和牛です。
和牛というとサシが入って柔らかいというイメージがありますが、赤身の肉で噛めばかむほど味が出てくるという肉で、歯ごたえのある肉をローストし古村さんの北あかりと軟白葱を添えて、赤ワインソースでご用意させていただいております。
デザートは、増毛の洋梨ブランデーワインをヘーゼルナッツとピスタチオと干しぶどうバターで炒め、キャラメルしタルトにしております。付け合わせは、國稀アイスです。
ミクニサッポロ ディレクトール 我妻 博之これからお料理が出て参りますが、今日は、テーブルマナーというよりも他の店で聞くことが出来ないことをお話しできればと思っています。
ギャルソン、ソムリエなどたくさんいますので恥ずかしがらずに聞いていただければと思います。
テーブルマナーというよりも、これを聞いておけば他のフランスレストランに行っても大丈夫というような裏技みたいなものを紹介したいと思いますのでお楽しみ下さい。
アミューズ古村農園の栗味カボチャのポタージュ 札幌黄のフラン添え
先付みたいなものですが、スープを用意させていただきました。三國のスープ系は余分なものは足さない。季節のものは食材自体がものすごいチカラを持っています。今日のカボチャは増毛古村さんの栗味カボチャで味が濃いのが特徴です。
フランですが茶碗蒸しのように卵を固めたものが入っています。その食感とカボチャの味をお楽しみいただきたいと思います。
前菜増毛の海の幸(蝦夷鮑、帆立貝、甘海老、蛸、つぶ貝)タブレ仕立て 鮑の肝とイカ墨で作ったソース和え
増毛町のあわび、甘エビ、つぶ貝、ホタテ、蛸を使った料理です。タブレとは、パスタを細かく刻んだものにトマト風味を加えたもの。ソースは、鮑の肝とイカ墨から作った。
増毛の海の幸をたくさん使用した前菜。
お飲み物の上手なオーダーの仕方ですが、食前には、炭酸の入っているものが食欲を刺激しますので、スパークリングワインなどをおすすめしています。
ビールのお好きな方もいらっしゃいます。ビールも食欲をそそりますので、最初のお飲み物には向いています。
ワインのオーダーですがソムリエがおりますのでお好きな味、簡単な予算、ワインリストのところを見て指をさしていただければお料理にあったワインをご用意できます。
ただ、くれぐれもソムリエにおまかせすると言わない方がいいと思います。高額なワインを勧められる場合もありますので、メニューを見て予算のところを指さして、このくらいの予算でこの料理に合うワインを下さいというのがスマートなワインの注文の仕方です。
魚料理増毛沖 鰤のグリエ 十勝産牛蒡のプレゼと大根添え バルサミコ風味のソース
増毛産のブリです。脂がのっているものは酸味があると食べやすいのです。
十勝産ゴボウを煮込み、コンソメで煮た大根を付け合わせています。バルサミコ酢は、ぶどうを原料とした酢でその風味のソースです。最初は鱈の料理を用意していたのですが、鱈が増毛の市場に水揚げされなかったため、代わりにブリがあるというのであわててメニューを考えました。
フレンチダイニングの予約ですが、普段はお電話で予約をいただいております。
時間と人数とお名前だけを言って予約される方が多いのですが、そこでもう少しわがままを言っていただけるとより良い予約ができると思います。例えば結婚式、お誕生日などと言っていただけると窓側のお席を優先してご用意させていただきます。
また、お一人様のご予算、例えば2万円…(会場から笑い)とかメニューでフォアグラ、鹿肉が食べたいとか事前におっしゃっていただければご用意できます。
最後に、フロントで三國シェフの著書を販売しております。直筆のサイン入りは当店だけですのでよろしければお買い求め下さい。
肉料理十勝産褐毛和牛"池田牛"のロティ 増毛産キタアカリのフリットと軟白葱のグリエ添え ジュのソース和え
お皿の上の方にある黒いかたまりのお肉は、硬い部分で別に切り落として赤ワインと一緒に煮込んでいます。硬い筋のある部分は、煮込むと味が出てきます。
もも肉はかたまりでローストしてミディアムにしております。
じゃがいもはフライにし、バターとにんにく、ローズマリー、タイムで香りを移したものを絡めています。美味しいじゃがいもをもっと美味しくしています。
軟白葱はそのままの味でお口直しみたいなものです。
ソースは、赤ワインベースですが手間がものすごくかかっています。
フォンドボーといわれる骨を煮だしたものを朝から8時間ぐらい煮詰めて、それをベースにして香味野菜のエシャロット、にんにくを炒めて、ブランデーを混ぜてうま味をつけてフォンドボーを入れて煮詰めます。今度は、肉を掃除して出たくずやすじをかりかりに炒めて香りを付け、ソースの赤ワインベースをもう一回加えて煮だします。
ミクニサッポロでは、ワイン6本分を1本煮に詰めたものをストックしてありますが、それをもっと煮詰めてソースの味を締めます。肉から出る脂も小さく刻んでにんにくとタイムを一緒に火にかけ焦げる直前まで焼いて香りを付けてソースに戻しています。
そういうことによって焼いた肉に合う香ばしいソースが出来ます。
このようにソースは手間がかかりますが、ここまで汗をかいて作っていると言うことがお客様には伝わっていないと思います。ソースは、素材を美味しく食べるための助け役と
考えています。ソースで素材を食べるのではなく、素材を食べるためのソースという位置づけです。
デザート増毛・佐藤果樹園の洋梨(ブランデーワイン)とクランブルのタルト仕立て
國稀のアイスクリーム添え
コーヒー・小菓子
洋梨ブランデーワインをヘーゼルナッツとピスタチオ、干しぶどうをバターで炒めてキャラメルしタルトにしました。クランブルというのは、ほぐれた生地みたいなものですが寄せ集めています。付け合わせは、毎年恒例の國稀アイス。ソースは國稀を入れたカスタードソースです。アイスの上にのっているのは、洋梨をスライスし、お皿を入れるウオーマーで乾燥させたもので、洋梨の味が凝縮されています。
小川シェフの料理教室と岩崎ソムリエによるデキャンタージュ
昨年に引き続きミクニサッポロキッチンで小川シェフによる料理教室を会場の塾生を半分に分けて実施。会場では岩崎ソムリエによるデキャンタージュの実演が行われました。
料理教室は、じゃがいもを利用した付け合わせに使用する料理。