2011年12月15日

平成23年度 秋のミクニ塾

増 毛 秋 の ミ ク ニ 塾
 〜増毛の素材を使用したフランス料理研修会とマナー教室〜
 
 

と き  平成23年11月12日(土)
     
午後0時〜午後2時30分
ところ  札幌市 ミクニサッポロ  

DSC_0282.jpg

料理長      小 川 主 水
ディレクトール 我 妻 博 之
参加者     塾生等 56名
事務局           3名
 計          59名


ミクニサッポロ 小川主水 料理長による本日の料理説明

P1100426.jpg

 みなさまこんにちは。
 今回で5回目のミクニ塾で、今までは10の中旬に実施しておりました。今年は、11になりましたので、食材を少し変えてみました。
 三國シェフがベルサイユ宮殿でお出しした金箔料理を増毛の食材と絡めて、三國シェフと同じ味に仕上げています。
 本日使用する増毛町の食材は、カスベ、甘エビ、鱈、ホタテ、りんご、國稀ですが、メインディッシュは、焼尻島の子羊を用意しました。この肉は、非常に貴重なもので、私が東京で修行していた時に使用していました。味を良くかみしめていただくと分かると思うのですが、この羊はサフォーク種といって一番食べて美味しいといわれているものです。
 
料理をお出しながら説明もしたいと思います。



ミクニサッポロ ディレクトール 我妻博之

 
これからお料理が出て参りますが、今日のテーブルマナーは、5回目ですが事務局からの要望で基礎的なマナーをスタッフから説明させていただきます。
 
本日の料理は、過去5回の中で一番費用がかかっていると思います。十分に期待していただいて良いと思います。

DSC_0275.jpg



アミューズ 
増毛産カスベと生ハムのベニエ

P1140895.jpg

 先付みたいなものですが、カスベをほぐし、生ハムで巻いたものに衣を付けて揚げています。衣ですが、メニューの裏にベニエ生地の作り方を載せてあります。薄力粉、コーンスターチ、ベーキングパウダー、ビールを使用しています。フランス風の天ぷらのイメージです。下のソースは、タルタルソースで、カレー粉も使用しています。

 
ナプキンの使い方を説明させていただきます。
 
一度全部開いていただきます。正式なナプキンの使い方は、折り目を手前にして二つ折りにして膝にかけていただきます。
 
テーブルマナーは、あくまで自分のことよりも他のお客様に配慮することが根本にありますので、きれいに見える状態で使用していただきます。
 
席を離れるときは、イスに軽くたたみ置いていって下さい。

 パンをお配りしておりますが、本日はこのようなテーブルに丸く座っていただいておりますので、左側にあるパンをお召し上がり下さい。人間の心理として右側のパンに手を出しそうになりますが、そうすると混乱してしまいます。
 
こちらのパンは、ハルユタカを使用したミクニサッポロで焼き上げたものでございます。
 
ナイフでカットしているお客様もいらっしゃいますが、手でちぎってお召し上がり下さい。表側は固くても裏側は柔らかくなっていますので簡単にちぎることが出来ると思います。



前 菜
カナダ産オマール海老、増毛産甘エビと帆立貝のうま味ジュレ
金沢の金箔包み

P1140898.jpg

 
金沢の金箔をジュレで包んだものですが、真ん中のジュレは利尻昆布と鰹節でだしを取り、オマール海老、増毛産甘エビ、ホタテを包んでいます。
 
甘エビは、茹でるとつぶれた感じになりますが、この甘エビは新鮮ですので、火を通してもプリッとしています。
 真ん中のジュレは和食の味わい。まわりのピンク色のソースは、シャンペンベースのソースで生クリームとオマール海老の脳みそをソースに混ぜ込んでいますので海老の味がするソースとなっています。
 
この料理は、ベルサイユ宮殿で三國シェフがお出ししたものですが、和食とフランス料理という三國シェフらしい料理です。

 
フォークとナイフですがもともとは銀製でフランスでは皇族だけが使用したものでございます。銀は毒に反応するという特性からナイフ、フォークだけでなくポットにも使用されておりました。
 
ミクニサッポロで使用しているナイフとフォーク類はフランスのクリストフルのブランドものでございます。エリーゼ宮で使用されているものと同じブランドで世界中の一流レストランで使われているものでございます。



魚 料 理
増毛沖 真鱈のクルスティアン焼き 
古村さんのじゃが芋と真狩産ポロ葱の“ポタージュベイザンヌ”和え
 
ビストー風味


P1140902.jpg


 増毛沖の真鱈は、表面に小麦粉をうち、フライパンでポワレして、タチは、クールブイヨンで下茹でしたものに卵白を漬け、パン粉をつけ、フリットしています。また、ジャガイモはポロ葱とともにスープ、オリーブオイルを加えたピューレ、細切りにしてフリットにしています。鱈とじゃが芋の様々な味の組み合わせを楽しんでいただくための一品に仕立てました。

 
フォークは、お魚の料理ですとフォークの先が3本、お肉料理ですと4本になっております。

魚は身が柔らかく身を崩さないように3本となっており、お肉は、くずれませんので先が4本のフォークとなっております。

 ワインは、赤と白がありますが、一般的にはお魚には白、お肉には赤といわれております。今日のお料理でうま味のジュレや増毛産の真鱈のお料理の色合いは、どちらかというと淡い色で、メインディッシュの焼尻産の子羊のお料理は、色が濃くなっております。
 色の淡い料理には白ワインを色の濃い料理には赤ワインを合わせていただくという方法もございます。お肉料理でも鳥の料理だとお好みですが白ワインを合わせることもありますし、カツオやマグロといった色の濃いお魚ですと赤ワインがおもしろいと思います。このように料理の色に合わせてワインを選んでいただいても良いと思います。



肉 料 理
焼尻島・大井さんが育てた子羊(サフォーク種)“プレ・サレ焼尻”
カボチャのピューレと舞茸添え

P1140905.jpg

 当店の入り口に焼尻の子羊の証明書が飾ってありましたが、今日は7ヶ月の子羊で、二分の一頭を皆様60人分に分けております。
 
お皿の右手にあるボールみたいなものは、ミンチにした肉で、腕、もも、背肉、バラなどの部位の焼きに出来ない小さなお肉にスパイスを入れ、練り合わせたものです。堅めだと思うのですが、お肉の食感を出すためにつなぎを使わずに仕上げ、上にマスタードとパン粉を塗っています。
 
左の方のお肉は、スライスしてローストしたお肉ですが、もも肉、背肉、ヒレ肉などそれぞれの部位が皆様のお皿の上にのっています。ロースは背中の部分のお肉ですが、私はお肉を見たらどの部分かすぐに分かります。
 ちなみにヒレ肉は、今日は3人前しかとれていません。子羊一頭でいろいろな部分のお肉が楽しめます。

 
ワインの飲み頃の温度ですが、白ワインは冷蔵庫で冷やして飲むと思いますが、赤ワインの温度が難しいと思います。今の時期ですとそのままでいいのですが、夏の暑い時期だと30度ぐらいになってしまいますので、飲む前の2〜3時間前に冷蔵庫に入れて冷やして飲むとちょうど良い温度になると思います。3人でボトル1本を頼みますと一人当たり250CCぐらい。一人一杯半ぐらいだと思います。
 だいぶ以前、アメリカの雑誌でヨーロッパ人がアメリカ人に比べて心疾患が少ないのは赤ワインを飲んでいるからという記事が載り、その後アメリカで赤ワインがブームとなり、日本で人気が出たと言われています。



デザート
滝上町月村さんが作ったフロマージュブランの “クルメダンジュ”
増毛・佐藤果樹園のりんごのシャーベットと國稀風味のコンポート添え

P1140908.jpg

 りんごは、皮をむき、カットして國稀といっしょにコンポートしたものをシロップにバラの風味をつけています。
 
また、シャーベットは、生のりんごを皮付きのままミキサーにかけシャーベットにしています。
 
フロマージュブランのムースと共にりんごを楽しんでいただけるよう色彩的にもこだわりました。



コーヒー・小菓子


P1140925.jpg




小川シェフの料理教室
 
昨年に引き続きミクニサッポロキッチンで小川シェフによる料理教室を会場の塾生を半分に分けて実施しました。
 料理教室は、メニュー の裏にあるベニエの生地の作り方で、それを使用しりんごなどを揚げて塾生に紹介しました。

P1140914.jpg
  
               

 

posted by ミクニ at 15:43| 日記