平成27年度 増毛ミクニ塾・冬の料理教室、試食会&ランチ
※スイーツバイキング
と き 平成28年2月27日(土)午前11時から
ところ オーベルジュましけ 2階 暑寒の間
1 増毛市場の話
事務局による増毛市場取材話(プロジェクターによる説明)
2 料理教室
増毛で水揚げされる冬の魚を使った料理
「真ダラのポアレ クリームリゾット添え 赤ワイン風味バルサミコソース」ほか
講師 オーベルジュましけ料理長 萬年範久氏
3 実習
4 試食会とランチ
実習メニューの試食とスイーツバイキング
〇増毛市場取材話
今回の塾も料理教室を主に構成されていますが、増毛で水揚げされる魚のことをもっと知ってもらいたい。
特に冬は魚種も豊富で美味しい魚が多くなる時期。
普段の増毛市場は一般に公開されていないため、特別に許可をもらい取材して来ましたので、そのようすをお話しします。
取材は慣れていないので、画像とセリフが多少前後することもありますが、その点はご容赦願います。
まず最初にお伝えするのは町を代表する水産品の甘えびです。
市場ではセリと入札という2つの方法がありますが、この日は入札扱いでした。
そのため、場内では箱詰め作業をして出荷するところ。
鮮度を保持しながら素早く発送すること。
デリケートな甘えびを取扱う関係者の皆さんの努力が感じ取れます。
色鮮やかな甘えび。
鮮度はいいと身も透き通った感じです。
水揚げされる場所でしか出会うことの出来ない美しいもの。
そして身は弾力のあるプリプリ。
もちろん取材陣としては手を出す訳には行きませんが…。
産地に住む者として、これまで長年の経験から得た味覚情報を付け加えさせていただきます。
水揚げされカゴに積まれた甘えびは、船からトラックに移され市場へ。
その後、カゴの重さを量り選別作業が行われます。
トラックの荷台に積まれ運び込まれたカゴはこんな感じです。
氷の敷かれた発泡箱に詰められラベルを貼り出荷準備完了です。
こうして鮮度自慢な甘えびが送り出されるのです。
さて、次は鮮魚を紹介しましょう。
冬の魚と言ってまず挙げられるのは、やっぱり「タラ」でしょうか。
ところ狭しと積み上げられた木箱。
豊漁です。
そう書きましたが、いつもの量の半分程度なのだとか。
積み上げられた魚を漁協の方が帳簿に記入して行きます。
水揚げされた魚の種類やサイズ、量などを書き留めて行くのです。
今回は水揚げ量が少ないとのことで、帳簿作業も時間に余裕があったそうですが、混み合う時はセリ5分前でも入荷することもあるのだとか。
そうするとセリそのものが遅れてしまうこともあるそうです。
魚体により2尾から7尾入りに詰め分けられます。
木箱に入りきらない10キロオーバーのものは、そのまま船の名前が書かれた紙を付けてコンクリートの上に置かれることも。
寒い季節に似合うのは、やっぱり鍋でしょうか。
そして真ダラの場合、魚卵よりも白子の方が珍重されることも多いのです。
これだけ大きければ、さぞ白子の方も…。
などと想像しながら木箱の廻りをうろつきます。
魚の価格は大きい方が高いのは当然ですが、タラの場合は小さく量の多い方が使い勝手が良いらしくグラム単価が割高になるのだとか。
そしてカジカ。
こちらの方は魚卵に高値が付きますが、身そのものは結構お買い得なもの。
それにしても昔に比べたら中々手の出しづらい魚になりました。
もうすっかり高級魚です。
浜でもらうことが出来た時代の話をしてはいけませんね。
ところでこのカジカ。
背の側が茶色系がギシカジカと呼ばれているものですが、道内では他に赤黒っぽい真カジカと呼ばれるものもあります。
どちらが美味いのか…、それはそれぞれの浜で食べるものが一番美味しいとしておきましょう。
ハッカクにホッケ。
今ではどちらも高級品です。
そして赤ガレイ。
刺身にするとコリコリとした食感、美味い魚です。
こちらは生ダコ。
昔は水揚げする漁師がそれぞれの釜で茹で上げて出荷したものですが、今は“やわらか煮”などの加工品づくりが盛んですから。
生のまま市場に出されることが多くなりました。
そしてコンクリートの上にそのまま置かれている妙なものは…。
カスべです。
皆さんが鮮魚店などで目にするものは既に皮を剥いてあるもののことが多いかも知れません。
このままで売られても困ってしまいますもの。
やっぱり大きな魚は適度なサイズにカットしていただいた方がいいのでしょう。
食べることしか考えないので、すぐそんなことを思ってしまいます。
さあ、そろそろセリの準備が整ったようです。
仲買人の皆さんが揃いました。
セリ人の掛け声が場内に響きます。
リズミカルに淡々と。
それぞれが仕入れたい商品に値を付け競い合う。
おもしろい世界です。
そして競られた商品は次々と運び出されて行くのです。
1箱くらいなら個人でも買えるのに…、そうお思いの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな時は馴染みの魚屋さんに注文しておくと良いかも。
田舎で暮らすにはまず親しくなるのが大事ですから。
〇料理教室
「真ダラのポアレ クリームリゾット添え 赤ワイン風味バルサミコソース」
今回はオーベルジュましけの萬年範久料理長に増毛で水揚げされる冬の魚料理としてタラをテーマに教えていただきます。
萬年料理長は、富良野プリンスホテルや名寄グランドホテル藤花、定山渓万世閣ホテルミリオーネ、稚内全日空ホテル(現ANAクラウンプラザホテル稚内)などで腕を振るわれた西洋料理専門の調理師資格をお持ちの方。
さあ、いよいよ授業が始まります。
開催する側として毎度思うことは、皆さんによく見えるような会場づくりをすること。
これがなかなか難しい。
講師の場所を高くすれば手元が見えなくなってしまうし、低くすれば料理長そのものが見えないですから。
やはりピンマイクと固定カメラでの手元撮影でしょうかね。
後ろの人も見やすいように大写しするの。
来期はそんなことが出来るように準備を進めたいです。
今回紹介していただく料理は3つ。
1つ目は真ダラのエスカベッシュ オレンジ風味
2つ目は真ダラのカダイフ包み揚げ 甘えびのカレー風味 クリームソース仕立て
3つ目は本日教えていただく料理の真ダラのポアレ クリームリゾット添え 赤ワイン風味バルサミコソース
一度に3つの料理を学べることも珍しいです。
そのうち3つ目の真ダラのポアレ…、を皆さんで実習します。
最初は手順のみを紹介するエスカベッシュ。
美味しいのと美しいのと。
プロの技を間近で見ることの出来る企画ですので皆さんの眼差しも真剣です。
皆さんの実習台にも食材が揃いました。
あとはしっかり覚えていただくのみ。
と言っても大人の教室ですから。
楽しくフレンドリーに。
各テーブルの準備もオーベルジュ側にお願いしています。
料理に関することは料理のプロへ。
ミクニ塾の運営そのものは、私ども素人集団が担っておりますが、調理器具も扱うことから先の部分に関しては、いい感じで進められるようになったと思っています。
ああ、後は塾生の皆さんへの見せ方が課題…。
料理長の手は既に2作目。
真ダラのカダイフ包み揚げへ。
会場にお借りしたのは2階の大広間。
料理教室には奥側、ランチバイキングは手前が定番になりました。
時刻はそろそろお昼過ぎ。
皆さんの食欲もいい感じに高まっているではないでしょうか。
いろんな味を楽しんでいただきたい。
なのでケーキもミニサイズで揃えます。
そこがまたかわいらしく美しい。
講師のテーブルに今回の料理見本が揃いました。
手前からエスカベッシュ、カダイフ包み揚げ、ポアレクリームリゾット添え。
器のチョイス、色合い。
料理そのものはもちろん、それを引き立たせる心遣い。
そこのところも是非学んでいただきたいと思います。
これが皆さんに実習していただくポアレ。
こちらはカダイフ包み揚げ。
さあ、皆さん。
いろいろと覚えてしまいましたが、今回実習するのは3番目に学んだものだけですからね。
頭の中を整理して臨みましょう。
初めからグループが決められている訳では無く、その時々で同じテーブルになった者で協力する。
大変そうですが、そこがまた楽しいところでもあります。
そして巡回くださる料理長のアドバイスがまた嬉しい。
赤ワインのバルサミコソースは予め料理長が用意してくださいました。
味の締めの部分をビシッと決めていただけますので安心です。
完成予想の画。
何度も登場させてしまいましたが、皆さんここを目指すのですよ。
実習の経過を撮らせていただきます。
ここでクリームリゾットと真ダラのポアレの盛り付けが終了。
続いて野菜類の飾りつけに移ります。
最初はワイワイと賑やかだった教室も次第に静かになっていきます。
動きも素早く、そして繊細に。
美しく飾りつけるシェフに変身する皆さん。
それぞれの席に置かれた料理。
そこに料理長がバルサミコソースを垂らして完成です。
皆さんご苦労さまでした。
それではスイーツバイキングとさせていただきます。
ケーキに生チョコ。
杏仁豆腐。
教室で最初に登場したメニューも出されました。
真ダラのエスカベッシュ オレンジ風味。
器を替えて出されるとこれまた新鮮な感じです。
授業とランチ。
これからの定番とさせていただこうと思っています。
カダイフの包み揚げ。
それを浸すのは甘えびのカレー風味ソース。
料理長が盛り付けてくださいました。
最後までお世話になりました。
ありがとうございます。
今期の増毛ミクニ塾は以上を持ちまして事業終了です。
また春から新しい年度が始まります。
皆さまのご入会をお待ちしています。