2014年12月11日

平成26年度 秋のミクニ塾(スイーツ作り)

平成26年度 秋のミクニ塾報告書

〜 増毛の果樹を使用したスイーツ〜

                                 

と き  平成26年10月29日(水)

                        午後1時30分〜

ところ 増毛町保健センター2階 調理実習室


1.開  会

2.あいさつ  経済課 観光推進室長 佐々木 一美

3.増毛町のプルーンを使用したスイーツについて 

講 師:Patisserie SHIIYA(パティスリーシイヤ) 

堀 尚史 パティシエ


     本日のスイーツ 「タルト オ プルュンヌ」(arte  aux  prunes)

  

今回、初めて秋のミクニ塾として、増毛のプルーンを使用したスイーツを製作しました。

札幌市中央区円山にあります人気店、「パティスリーシイヤ」の堀 尚史パティシエを講師に迎え「タルト オ プルュンヌ」の作り方を学習しました。

プルュンヌとは、フランス語でプルーンを意味し、タルト オ プルュンヌは「生地の上にプルーンを載せて焼いたケーキ」という意味。


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増毛町出身の堀パティシエは、今年度で4回目のミクニ塾講師。

今回、堀パティシエの奥様にもお手伝いいただきました。


 ○「タルト オ プルュンヌ」作り


  今回はプルーンのタルトです。プルーンは生で食べた方が一番美味しいのですが、今日はあえてタルトに挑戦して、皆さんに食べていただきたいと思っておりますのでよろしくお願いします。

  まず、最初に一番底の生地に「パートブリゼ」というものを使っていきます。

  パートブリゼとは、皆さんが知っていると思われますのが「パート シュクレ」と言うもので、普通のタルトより甘みが少なく、食べたらホロッという食感で、とてもタルトには適した土台となっています。

  その中に「クレームダマンド(アーモンドクリーム)」を絞って、そこにプルーンを敷いて、最後の仕上げに「クランブル」というクッキー生地を上にのせて焼いていきます。


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  まず、一番始めに「クランブル」という上にのるクッキー生地を作っていきます。

  この材料は、あらかじめ全部を冷蔵庫で冷やしておき、ボウルの中にすべての粉類が入っています。グラニュー糖、薄力粉、アーモンドパウダーに、あと今回用意されたバターが無塩でないため、塩は入れないでおきます。

  バターを入れて、後は手で細かくなるまですり潰してください。バターが溶けてしまうと違うものになってしまいますので、溶けないように手早く、そぼろ状になるまでやってください。


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  もしこれを作るのが面倒でしたら、市販のクッキーを上にかけるだけでも全然違った味わいになります。

実際、お菓子屋さんで作るときは、大きいミキサーに入れるとすぐに出来ますが、家庭で作られるときは、手で作る方が断然早いです。

  やはりお菓子を作るときは、少量で作るとすごく難しくなってきます。大量に作る

 方が簡単ではないのですが、やり易さがあります。

  そぼろ状になりましたら、冷蔵庫に冷やしておいて、使うときに、また取り出して

 その時に、さらに、そぼろ状にしていきます。クランブルはこれで終わりとなりまして、冷蔵庫に入れておきます。

  次に「クレームダマンド」というクリームを作りますが、アーモンドのクリームと考えてもらっていいです。タルトと言えば、このクリームを一番使っているところが

 ほとんどです。

  バターは常温に戻しておいて、ポマード状になるくらい戻しておきます。

  バターの状態が非常に大事になってきます。次に粉糖を入れていきます。このクリームを作る上で重要になってくることが、空気を入れないで作ることです。

優しく空気を入れないように擦り混ぜてください。

  まとまったら、次に卵を数回に分けて入れていきます。卵は冷えていると入っていきづらいため、常温にしておいてください。

  アーモンドパウダーは、先に入れても良いのですが、卵を少しずつ入れた後でも混ざれば大丈夫です。


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  少量で作る場合は、先にアーモンドパウダーを入れてしまうとダマになってしまって、卵が入っていきづらくなってしまいますので、今回は卵を先に入れ伸ばしてから

 アーモンドパウダーを入れたいと思います。

  卵が段々伸びてきましたので、ここでアーモンドパウダーを一気に入れていきます。

  卵を一気に入れてしまいますと分離して、なかなか入っていきませんので、ここは少しずつ入れてください。

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  後は、残りの材料で体状を整えると言う意味で入れていきます。

あまり混ぜすぎると空気が入ってしまって、焼いたときにすごく膨らんでしまいます。また、出したときに中央が沈んでしまいますので、それを防ぐために空気を入れないようにしていきます。


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そして、今回の主役のプルーンを切っていきます。プルーンの大きさは皆さんにお任せしますので、好きな大きさに切ってください。      

 

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   今回、これが「パートプリゼ」という型になります。

今日は時間がありませんので、焼いてきたのを持ってきました。

 

プルーンはだいたい7割ぐらい載せるのがベストだと思います。

  これを焼くのですが、オーブンの温度を高めにします。温度が低いとプルーンの汁が下に染みこんでしまいますので、200度の温度で30分程、一気に焼いていきます。今回隠し味として、「カソナード」と言われる黒糖より少し粗い砂糖をブレンドし、最後に焼いて完成です。それでは皆さんも作っていただきます。

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  「パート ブリゼ」(デモのみ)


  こちらの粉は、良く冷やさないと溶けてしまうため、食べたときの食感がサクッといかなくなり、もちっとした食感になります。バターは5mm角くらいにして入れていきます。そして、水を少しずつ入れながら手でまとめていきます。

  揉むというよりは、まとめるという感じになります。触りすぎると固くなり、焼き上がりも固くなってしまいますので、すごく、もろい生地になってしまいます。

  生地が完成しましたら、1日もしくは2時間以上寝かせて薄く伸ばし、そして型にはめて焼いたら、この形になります。 

        

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  これが「パートプリゼ」というお菓子では、ポピュラーな生地となります。

  型に入れて焼くときに重しを入れないと浮いてくるミルフィーユと同じような生地なので、焼くときは重しを載せてください。


 【完成品】 


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  ミクニ塾では、堀パティシエを講師に迎えて、今年度で4回目となりますが、初めてプルーンを使ってのスイーツづくりを行いました。タルトとしては2回目となりますが、スイーツづくりは、毎回、楽しませてくれます。 

 * 今回の参加塾生 14名


【料理実習のようす】

 

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posted by ミクニ at 09:57| 日記

2014年12月10日

平成26年度 ミクニサッポロでの夏のミクニ塾

2014 増 毛 夏 の ミ ク ニ 塾


〜増毛の素材を使用したフランス料理研修会とマナー教室など〜


              ところ  札幌市 ミクニサッポロ

              と き  平成26年 8月30日(土)

                    午後0時〜午後2時20分


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               ミクニサッポロ

                ディレクトール 我 妻 博

                料 理 長   小 川 主 水

                アシスタントマネージャー   福 井  徹


               ○参 加 者    塾生等57名

                事 務 局       3名

                  計          60名


       主催者あいさつ 


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    増毛町経済課

     観光推進室長 佐々木 一美



 ミクニサッポロ 我 妻 博 之 ディレクトール


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 本日はミクニサッポロへ大勢の皆様にお越しいただきまして誠にありがとうございます。

 今回、皆様に味わっていただくフランス料理はご満足いただけるものと思っておりますし、マナー教室としましてこの後、食前酒から始まるコース料理についてやテーブルマナーなどの作法を含め、間の許す限り、お楽しみいただければと思っております。それではよろしくお願いします。



ミクニサッポロスタッフによる食前酒とカクテルづくり(実演)


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 (解説 ミクニサッポロ 福井 徹  アシスタントマネジャー)


 今日は食前酒を作らせていただきますが、食前酒はフランス語でアベリティフと言い、食欲を増進させたり、会話を弾ませるきっかけに飲む酒を言います。

 6月第1木曜日をアベリティフの日として、世界10カ国21都市で開催されていまして、今年で11年目を迎えます。食前酒を大きく4つに分類しますと


 1 アベリティフ・・・酸味や苦みのある飲み物

 2 オールディカクテル・・・いつ何時にのんでも大丈夫

 3 ディジェスティフ・・・食前酒で、主に甘みのある飲み物

  4 ノンアルコールカクテル・・・健康、車の運転も大丈夫 


 今回の食前酒は「クロン・ダイクハイボール」と言いまして、こちらのネーミングの由来は、カナダの北西部の町、ゴールデンラッシュで有名になったことからつくられたカクテルで、誰にでも好まれるさっぱりとした味です。

 もう一つが「シンデレラ」で、ノンアルコールカクテルです。

 こちらの由来は色々とありますが、シンデレラは魔法使いのおかげで舞踏会を楽しめたことから、どんな人でもカクテルを楽しんで頂けることが出来るという意味で名付けられたカクテルです。久しぶりにシェイカーでカクテルを作らせていただきます。

 数が少なくて申し訳ありませんが、先着順という形で希望される方にお飲みいただきたいと思います。


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ミクニサッポロ 
 小 川 主 水 料理長 

 料理長の小川と申します。
 今日はですね、いつもでしたら秋口に開催していただいているのですが、今年は夏ということで、ちょっと食材の雰囲気が違っておりまして、残暑といいますか、秋の初めといいますか、お手元のメニュー見ていただいたら分かると思いますが、今年は一品増えております。
 デザートを今回2品ほど用意させていただきました。
 最初にアミューズに1品と、料理が3品で、前菜、お魚、お肉、そしてデザートが2品という風になっております。
 このあと料理を出させていただきますが、ごゆっくりとご賞味いただければと思っております。

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 アミューズ

 増毛産帆立貝、蛸、つぶ貝の椎茸づめベニエ


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今日、最初の一品目です。これからお出しすると思いますが、アミューズブーシュですね。

酒付きみたいなものなんですが、増毛の帆立、つぶ、蛸をすり身にしたものを、椎茸に詰めて、ベニエ生地というビールを使ったほろ苦い生地なんですけど、そちらを塗って揚げたようなものを最初に召し上がっていただきます。


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  前 菜

   北海道産とうきびのムースリーヌとピューレ

   増毛産甘海老、根室産花咲蟹、雲丹のうま味ジュレ和え


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その次にとうきびを使った前菜ですが、そちらの方はとうきびを3種類使っております。

白いとうきびのプレミアムホワイトという新篠津にありますとうきびです。

ピュアホワイトとかあると思いますが、そちらの方は単体で火を入れてピュレにしまして、とうきびのムースはハニーバンダムと味来という2種類をブレンドして作ったムースですありまして、その下に、ジュレ(フランス語でゼリーのこと)を入れていますが、そのジュレというのが旨みのジュレになります。

利尻昆布と標津の鮭蒸しを使ったジュレですね。そのジュレの中に道産の枝豆と、もう全てにおいて、北海道の陸の物、海の物をひとつに閉じ込めたものを今日はご用意させていただきました。


@フレンチメモ

ピュレ・・・ピューレとも言い、野菜や果実をすりつぶして、裏ごししたもの。 

ムースリーヌ・・・フランス料理で、泡立てたクリームを加えて作る料理などの総称のこと。

 

魚 料 理

      歯舞沖・真鱈のポワレ

    北海道産じゃがいもとポロ葱のアンブーレ添え タイム風味のソース


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本日のお魚料理なんですけど、こちらのほうは鱈を使った料理です。

ジャガイモと鱈のすごいシンプルな組み合わせですが、ジャガイモと鱈はすごく相性の良いものでして、鱈はどうしても冬というイメージでありますが、今の時期の鱈というのは、身の方がすごいしっかりしていて、お腹の子とか、そうゆうところに栄養が行く前に、しっかり栄養を溜めている身の方を召し上がっていただきたいなと思います。


Aフレンチメモ

   ポワレ・・・フライパンで肉や魚などを焼くこと。その料理をいう。

鍋にバターと材料をふたして、オーブンで蒸し焼きにすること。また、その料理をいう。 

 *アンブーレ・・・たっぷりのバターで柔らかく煮ること。



肉 料 理

       白老町の阿部さんが育てた

    黒毛和牛“あべ牛”もも肉ロースト


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それでは本日メインは、以前もお出ししたことがあると思いますが、白老牛「あべ牛」のもも肉ですね。

こちらの方をローストしまして、皆さんのテーブルの前で、お切りしてお出ししたいと思います。

 

 デザート 1

    増毛産ホワイトプラムのソルベとソルダムのマリネ

    ローズ風味のジュレ和え


 本日のデザートは2品ですが、まず一つ目は、急きょ増やしたのですが、当初予定していなかったプラムが、昨日増毛から届いたので、すごい珍しいホワイトプラムですよね。
 白いプラムをいただいたので、プラムをそのままミキサーにかけて、シャーベットにしたものと、それにソルダムとバラ風味のゼリーと合わせたものをお出しします。

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 デザート 2

         滝上町の月村さんが作ったフロマージュプランの

           “クレメダンシュ”

     増毛産葡萄をつかったソースとシャーベット添え


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 メインのデザートが「クレメンダンジュ」と言いまして、フロマージュフランで、フレッシュチーズを使ったデザートなんですけど、こちらはキャンベルとベラメートという増毛産の葡萄を使ってシャーベットを作りました。
 フレッシュなもので作っていますので、非常に味わいがストレートだと思いますが、そこら辺を噛みしめながら召し上がっていただけたらと思います。

     

 

 コーヒーと小菓子


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食前酒の話


 カルアミルクですとか、その他に食事の余韻を楽しんでいただくという形で、ブランデーやウイスキーに、リキュールなどのそういったお酒をシロップにつけたものですとか、特にリキュールは食後に合うと言われております。

 NHK連続テレビ小説で、今話題のニッカウヰスキー創業者で、ウイスキーの父と言われた竹鶴さんのドラマ「マッサン」が、来月から始まります。ミクニサッポロにも竹鶴17年のウイスキーはありますけれど、多分反響は良いと思いますが、こういったものを食後にですね、ウイスキーで余韻を楽しんでいただくために、飲まれるのもオススメかと思います。ニッカウヰスキーの竹鶴は、本当に美味しいウイスキーですので是非ご賞味いただければと思います。

 どうもありがとうございました。


 今回、初めて夏に開催しましたミクニサッポロでの夏のミクニ塾でしたが、増毛の食材をこの時期あまり用意出来なかった反省もありますが、正午から始まり14時20分までの2時間20分間をゆっくりとフレンチを堪能し、参加者は満足されていたようです。


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posted by ミクニ at 17:03| 日記

2014年12月09日

平成26年度 増毛ミクニ塾開講式・春のミクニ塾

平成26年度  開講式・春のミクニ塾 

                     と き 平成26年5月24日() 午後4時00分

              ところ オーベルジュましけ

 

1  開講式


・ 開会の言葉   

・ 増毛町長 石崎大輔 あいさつ

・ 副塾長、運営委員長、来賓の紹介

・ 年間カリキュラムの説明

(三國シェフを囲んでの交流会)


2  三国 清三シェフの講話         

        

 2013年11月7日、フランストゥール大学より「美食学」の名誉博士号を受けました。

 世界初ですが、その最高学位は医者や科学者とか哲学者などと同等の学位を大学が研究していまして、学位が成立して初めてフランスのシェフ50人による投票で世界の中から4人のシェフが選考され、それで昨年の秋に授賞式に行ってきました。


 それぞれ選考されたシェフの国の大使が列席し、スペイン、スイスとベルギーの各大使に、日本は駐仏大使がパリから来られて、日本だけが今回の授賞に対して安倍総理から、日本の誇りであるという内容のメッセージをフランス語で大使が発表して下さいました。
 後日、そのお礼を総理に伝えるために、首相官邸に行って参りました。総理からも世界で食に関心があるということでかなり評価されたんだね」と、大変喜んでいらっしゃいました。

 今年の春に、フランスのオランダ大統領が2日間の日程で、来日されたとき、夜は天皇陛下との晩餐会で、その日のランチを私が総料理長ということでフランス料理を提供したいと総理から声がかかりまして、総理としては料理のレベルを見せたかったと思うのですが、指名を受けて僕は前菜を担当し、2品目が東京にいるフランスのシェフに魚料理を、肉は京都の老舗料亭「菊乃井」の料理長に担当してもらい、デザートは昔うちで働いていて世界チャンピオンになった人が作って、最後に大統領がチョコレート好きということで、日本のショコラティエでフランスの賞を取った方などがチームを作って、ワインからお花もパリで3年ぐらい修行した後、今東京でお花屋をやっている方にお願いするなどしていました。

 通常、オランド大統領は、国会での発表もあって、基本的にはだいたい3、4割は料理を残すのですが、全部完食されていましたし、総理ももちろん完食しましたし、その時出席していましたフランス在日大使閣下ご夫婦からは、普通の食事会ではなく、伝説的な食事会という話しを人を通じて受けておりましたので、昼食会は非常に大きな意味があったと思っています。総理と大統領ともに同じ1954年生まれで、その後、大統領と安倍総理が非常に親しくなりました。

 先程、町長も申していましたが、日本料理・和食が昨年11月に世界遺産に登録されまして、その前の年にフランス料理が世界遺産登録をされたのですが、フランスワーランテ大学が、フランス料理をひもといて、政府に世界遺産登録の申し出をし登録となったわけですが、3年前に富士山もそうですが、世界遺産に登録されることは自慢することではないのです。
 それを保護する対象として、守らなければならないという責任が重くなるわけで、なくなってしまったら、国に大きな損害が生じ、結局、日本は懐石料理を提案したのですが却下されたんです。
 なぜかというと日本人はみんな懐石料理を食べていないでしょうという理由で和食という形に変えたんです。

  

 フランス料理がなくなったらフランス国民でなくなってしまう、だから重要性がある。それと伝統と文学が凝縮されている。だからフランス料理がなくなると国民が存続出来ないという理論があり、3年前に世界遺産として認定されたんですね。

 当時、サングリアという人が、フランス料理が世界遺産に登録されて、ベルサイユ宮殿で正規の晩餐会の開催で、650名が出席し、フランスでは世界中から60人ものシェフを招待して料理を作ったんです。



       s-P1020894.jpg                                                                                   


 それで、僕がアジア代表で正式なシェフとして、前菜を担当したんです。

 最初は晩餐会に参加ということで行ったのですが、その時に初めてフランス料理が世界遺産登録されたと聞き、大変驚きまして、フランス料理が登録されたのであれば、日本料理も絶対されるはずだと思い、全部資料をいただいて、すぐに日本に帰国し、京都大学の知り合いの先生に相談しました。


 フランス料理が世界遺産に登録されたのであれば、日本料理を登録しなければと伝え、先生が農水省に提案して、農水省では当初登録されないとの感じだったのですが、僕が再度フランスでキャッチしたのは、その3年前に韓国がすでに登録したと聞き韓国は1年目に韓国料理をお願いし、2年目に宮廷料理で、3年目に宮廷料理にキムチはどうだと申し出たんです。

 日本ではキムチは発酵食品だし、健康にもなり、みんなが食べているのですが、フランスの委員会はキムチかとなったんですが、そういうものを保護するからと内定したんです。


 日本料理が登録されなければ、国益に影響すると考え、我々が提出したのが3月で、それで、内定してすぐに日本で1回委員会があったのですが、そこでじゃあ提出となり日本側も一番の案件として、日本政府の押すものが優先的に認定される。
 日本料理で提案したのですが、色々ありまして、和食、日本人が一汁三菜ご飯に味噌汁と焼魚、お新香と、基本的に和食ということに変更して、その中には石狩鍋ですとか全国に色々な鍋があり、そういった伝統食文化やおせちとか、そういうものを含めて和食ですということで、最終的に11月に決定したんですけど、日本は3月に提案して、その年に登録されることは普通ではあり得ないわけで、大体2〜3年かかるらしいのですが、ようやく世界遺産登録され、多分、和食というか日本料理というのは、みんなが知っていて、和食、お寿司などは世界的に超有名な料理で、東京オリンピックが決まったということと、3.11の東日本大震災復興を応援しようという機運が、世界中にありましたから、また、どこかにフランス人がいるか、どうかということも影響するのです。

 なぜかと言いますとフランスでは生牡蠣が大好きな国なんですが、牡蠣が何度も災害で死んでいるんで、その都度、日本が生牡蠣を提供して、何度もフランスの国が復活しているなどそういう事がありまして、色々な国が日本びいきと言いますか、それでオリンピックも復興という意味合いも込めて決まったなと僕は思っています。
 僕はもう、ど真ん中にいましたので、色んな流れから全部知ってるんですけど、結果的に和食がアジアで最初の世界遺産になって、ハッピーなんですが、これからは和食を世界中、特にアジアを中心にアピールして行きたいなと思っています。
 僕が60歳の還暦と、四ッ谷のお店が30周年と今年9月22日に60年間の集大成の晩餐会を開きます。


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東京で行いますが、料理はすべて僕が作るんです。その中で財界の皆さんにも来ていただいて、1,200名分の着席での食事準備、これは前代未聞なんですけど、一世一代のパフォーマンスというものでして、多分その流れで札幌でということになると思いますが、その流れで増毛でもやりたいですね。こじんまりと。

 

  皆さんご存知ですか。XJAPANのトシさんって。彼もね、すごい熱心な人でして、上川町にボランティアで毎年中学生、高校生に音育という音楽で子供を教育するのに来ていて、毎年ボランティアで来ていますし、あと中国海でのミクニ上海を今、ニューヨークからも話しが来ています。


 なんでそんなにやるのっていう思いもあるかも知れませんが、来年ミクニ塾が10周年ですしね。増毛で10周年を記念して何かしたいと思います。


  日本ではだいたい20ヵ所くらいの観光大使で、去年ようやく、北海道からお呼びがかかりまして、観光大使をやらしていただいています。


 僕の体はひとつなんで、やっぱり担がれると先程も話をしましたが、活躍させていただきます。
 よく、我が故郷だからイメージ的に、三國さん増毛でやらないのって言われるんですけど...、銅像建たないし。来年は増毛ミクニ塾10周年ですから、何かやりたいですよね。そんなことで終わりとなりますが、何かやりたいと思います。


   ○三國シェフを囲んでの交流会


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posted by ミクニ at 13:48| 日記